Firefoxは一般人には使えない

Firefox』、ユーザーの75%はダウンロードしただけで使用せず - japan.internet.com Webビジネス
http://japan.internet.com/busnews/20081003/11.html


それじゃあ、実際の初心者の行動を書いてみよう。
観察対象はうちの親父。六十代前半。パソコン使用暦は5年ぐらい。
YahooとオークションとGoogleツールバー以外まともに使ってない、ITリテラシが成長しない人。


まず乗り換えた理由。
ライブカメラを見たかったのにActiveXのインストールが失敗する。つまりIE側の手落ち。
自分のFirefoxで試し見してみたら、意外なことに見られた。
そこで父にも乗り換えてもらうことにした。


インストールまでは自分がやったので、起動からスタート。
今までとマークが違う、と愚痴られる(eの形のアイコンじゃない)。


お気に入りが常にサイドに出てないと駄目だそうなので、サイドバーにブックマークを表示しておく。
ものの10分もしないうちに、サイドバーを×ボタンを押して消してしまったらしくまた文句を言われる。
自分で戻せよ、と思ったが「前は上の方に『お気に入り』というデカいボタンがあったのに無くなった」とのこと。
そういえばIEにはあるね、それ。
ボタン一発で戻せないのが気になるようだ。


あと、「お気に入り」が「ブックマーク」に変わっているのも相当戸惑っている様子。
インストールを自分が代行したせいもあるが、彼は「ブラウザ」という概念そのものを理解していない。
そのため、操作が少しでも変わるとフリーズする(父が)。


お気に入りへの追加時にもトラブル。
IEの時にお気に入りをフォルダ分けしていたのだが、Firefoxでは標準ではフォルダ一覧が出ない。
「そこの▼を押せば一覧が出るよ」と教えたのだが、その後も何回も同じことを聞いてくる。
フォルダ一覧をうまく出せても、今度はフォルダ名の横の+マークに気付かない。
普段windowsディレクトリツリー式のexplorerなんて触ったこともないので、この手の操作に慣れていないのだ。


タブにしても、まずタブの存在そのものが全く視界に入っていない。
これはIE7の時も同じ。ページ部分以外のインタフェースは完全に意識の外にある。
IE時のActiveXのインストールの催促もまったく気づいていなかった)
タブの存在と、切り替え方、閉じ方を一度教えると理解した模様。
開き方は教えなかった。使いこなせるとは思えないから。


本人の名誉のために言っておくと、これくらいのケースはまったく珍しいことではない。
この前講師をやったパソコン教室に前町長が来たが、もっとレベルは低かった。
(あくまで「パソコンを使う」という意味でのレベルの話)




結論を言えば、ブラウザの乗り換えなんてことをITリテラシの低い人が自発的にやるはずがない。
おそらくその75%の人は、「詳しい人」がインストールしてくれたFirefoxを「やっぱりわかんない」と放置しているものだと推測している。
彼らにはマウスジェスチャや拡張などは想像の範囲にすらない。


高齢者への実際の使用テストを1回でもやればすぐわかるこれらのことすらしないで、Geekの常識でブラウザを作っていると、今後もシェアは伸びないだろう。