RAID1なんてあてにならない

昔から思っていることだけど、やっぱりRAID1なんてあてにならない。
制御してるRAIDコントローラ自体の故障とか、1台壊れてるのにアラームに気付かず結局全滅、とかそんなことを何回も見てきた。


かといってCD-RやDVD-Rだけに保存して安心してる人なんてのも論外で、あれはあれで直射日光に晒し続けてるだけですぐに読めなくなる。
DVDがレーザーディスクみたいな太古のメディアになることだって、ほぼ確定した未来だ。
HDDもCD-RもDVD-RもUSBメモリも、形があるものは当然いつか壊れる。クラウドへの保存だって、サービスの停止というリスクがある。


大事なことは、出来るだけ数多くのコピーを作ること。それも、可能な限り多様なメディアに。
生物の繁殖や多様性と同じことが、データにも言える。繁殖できなかったり、多様性を失った種は一度の大災害で滅びる。


というわけで、うちでデータのバックアッププランを求められた時はRAID1と「外付けHDDへの1日1回の自動バックアップ」のセットで作業します。


Windowsのタスクスケジューラ(もしくはLinuxのcron)を使って、指定したディレクトリ以下をまるごとコピーするバッチファイルを1日1回回す。
2回めからは差分バックアップ(新しく出来たファイル・更新されたファイルのみ追記)なので所要時間も早い。


そしてここで肝心なのが「元のディスクからファイルが消えても外付けHDD上のファイルは消さない」こと。
結局、データトラブルで何が怖いって、人間のミスなんだ。RAID1のHDDから間違って消してしまったファイルの復旧をするとしたら「追記するだけ」のスタンスの外付けHDDを用意しておくのが一番確実。
これは今どきの大容量HDDありきのやり方だけど、HDDの容量が進化を続ける限りは合理的なやり方だと思っている。


そして自動バックアップスクリプトには、バックアップしたファイルのパス一覧をテキストファイルに書き出し、指定したメールアドレスに添付してバックアップ成功の報告メールを出す機能をつけてある。
いざという時「バックアップをしてあること」自体を忘れていることがあってはいけない。報告メールを毎回送信することで忘却を阻止して、常に「生きた」データとして次世代に引き継ぐ。


この方式で外付けHDDに毎週1回バックアップを取っている会社の人は、バックアップを取る日以外はHDDを家に持ち帰っているそうだ。
理由は「万一会社が焼けてもバックアップデータは残るから」だそうで。そこまでやってくれれば私も本望です。