英語力とは違う力が求められる未来

以前知床斜里駅に行った時に、観光用カウンターに見慣れぬPCが一台置いてあった。
モニタの前にはマイクが置いてある。
国がやっている音声自動翻訳の実証実験だそうだ。


マイクに話しかけることによって、PC上でまず音声認識をする。
音声からテキストデータに変わったものを、今度は該当国の言葉にテキスト翻訳。
最後に、翻訳が終わった文章をPCが発声する。


それぞれの技術は、すでにあるもの。
音声認識の例:Google モバイル - 音声検索
http://www.google.co.jp/mobile/default/onsei.html
テキスト翻訳の例:エキサイト翻訳
http://www.excite.co.jp/world/
テキストトゥスピーチの例:goo辞書(スピーカーマークをクリック)
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/39893/m0u/hello/


組み合わせることによってほんやくコンニャクじみたものすごいものができる。


これは観光関係の会話に特化しているらしく、語彙はちょっと貧弱。
思った内容と違った結果になることもしばしば。
ただ、音声認識まではほぼ完璧だった。


で、「これは近いうちにケータイに乗るな」と思ってたら、やっぱり今日、iPhoneアプリで公開された。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100805_385680.html
独立行政法人情報通信研究機構NICT)が出したアプリ。
今年の末まで無料で使える、実証実験中。
22か国語への翻訳が可能。


語彙は相変わらず貧弱だけど、それは今回の実証実験中に集めるつもりなのだろう。
言った言葉は一度サーバに送ってそこで変換し、音声データを送り返してくるようだ。


とはいえ下記のページを見る限り、変換データベース自体を内蔵した機器も作れるようなので、それなら海外でのパケ死も心配ない。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/ipsj72th/20100309_353650.html


国産技術とは思えないレベルの使い勝手で驚いた。
Googleを超えてる。


ここからは個人的な話。
最近PCサポートで外国人のお客さんが多い。
修理料金や手順などでの行き違いを防ぐために、現在はできるだけメールでやりとりをしている。


といっても私自身は英語力などない。
どうしているかというと、

  1. まず端的な短い文章で説明を書く(日本語で)。
  2. それを自動翻訳サービスでテキスト翻訳する。
  3. そのままその文章を再度日本語に自動翻訳。


2度の翻訳を通してそれでも意味が通れば、人間にも(外国人にも)通じる日本語になるだろう、という作戦。
実際、今まではこれでうまくいっている。


でもどうせなら直接会話ができるに越したことがないので、今回のソフトも今後は積極的に使っていこうと思っている。
何にせよ大事なのは、「いかに簡潔に1文をまとめるか」。


相手に伝えるという以前に、自動翻訳しやすい文章をあらかじめ話す前に考える必要がある。
難しい感触ではあるが、英語を一から覚えるよりは全然楽だと思う。


私はこの方向で、今後も英語学習からは逃げきろうと思っている。
国内で日本人に囲まれて生きていたら、どれだけ頑張って英語を覚えたところでどうせすぐ忘れそうなので。


技術で出来ることは技術に任せる。