UIが変えられるもの

http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20080716/p1
http://chikura.fprog.com/index.php?UID=1216436561


iPhoneを触ってみてわかったが、これほど解像度やドットを意識しないで携帯端末を使えたのは初めてだ。
体感的には800*600のノートPCぐらいの解像度を持っている。
今まではモバイル表示端末の最適解は超軽量型の無線HMDだと思っていたのだが、その考えをひっくり返すぐらいのインパクトがあった。

ベクターライン(PDF)で描画されるMacOSXをベースとして作られていることが、ここにきて功を奏している。
拡大縮小を前提として描画・デザインされているため、ドットという概念そのものが希薄。
これを1から他のメーカーが作るのは大変そうだ。

一般化に必要なもの

一般人でも使えるレベルのUI・標準化された規格・安価さ・そしてもちろん便利な機能。
これが生活必需品として普及する製品の条件。
車、黒電話、テレビ、今までの携帯電話、パソコン。すべてそうだ。
(パソコンについては、いまだに全世帯に普及できるほどの習得の簡単さがないが)


今携帯を使っている人のうち、「持ち歩ける黒電話」として使っている層は想像以上に多いだろうと思う。彼らには携帯を使ってネットで調べものをするという発想そのものが希薄だ。
つまり、「電話」としては生活必需品になったが「web端末」としての携帯電話はこれから発展していく商品と考える。
既存のガラパゴス携帯を使いこなせなかった層は私たちの予想以上に大きい。


もちろん、iPhoneもUI的にはガラパゴス携帯を超えていない部分が多々ある。
すべてをタッチパネルで処理するのが最適解なのかは疑問。
現状で到底万人におすすめできる代物ではない。
ただ、「数字キーを押したらここにジャンプして」のような操作に比べれば、タッチパネルは明らかに便利だ(というか現状のガラパゴス携帯はCUI)。


標準化された規格としてApp Storeを考えるにはあまりに敷居が高い。
http://v.japan.cnet.com/blog/shimizu/2008/07/18/entry_27012342/
まだWebアプリの方が可能性がある。


パソコンでいうDOS/Vにあたるものが出る必要があると思う。
Appleは、企業体質的に骨の髄まで閉鎖的なので、次代の覇者にはならないだろう(なろうとも思ってない気すらする)。
GoogleAndroidは、ソフトウェア上のDOS/V的な規格を狙っているのかな、と思っているが、現物が出現してみないと実際のところはわからない。
PCというデバイスに対する「インターネット」そのものにあたるものは、今後もそのままだと思うので、Googleはそこへのルートを(少なくとも出入り口を)抑えたくて奔走しているのだろう。


どちらにせよ、現状の「ケータイ」は使い勝手においてUI的にあまりにも前時代的で(慣れてる人にとってはCUIでも無問題&高速操作もできるだろうけども、それはGeekの言い分)オープンでない、PCに対してのワープロ専用機にあたる存在。遅かれ早かれ絶滅は避けられない。
終末期のワープロ専用機は、インターネットができたりスキャナがついたりマウスがついたりタッチパネルだったり機能的には華やかなものだったのだが、結局機能をアップデートできない端末はすべて滅びた。